インフレ時代の資産防衛術！不動産クラウドファンディングが選ばれる理由とは

世界的なインフレ傾向を踏まえ、現金や預貯金だけでは資産価値が目減りするリスクを提示します。その上で、実物資産である不動産を裏付けとする不動産クラウドファンディングが、インフレ対策としていかに有効な選択肢となり得るかを解説します。

世界で進行するインフレとは？その背景を知ろう

最近、スーパーに行って「なんだか前より高いな…」と感じたことはありませんか？
このような物価の上昇傾向は、日本に限らず世界中で広がっています。

エネルギーや食料品、原材料などの価格が上がり、多くの国で消費者物価指数（CPI）が上昇し続けています。

インフレの主な背景要因

このような要因が複合的に重なり、インフレが“じわじわと”あなたの生活、そして資産にも影響を与えているのです。

なぜ現金や預貯金だけでは資産を守れないのか？

「手元にお金があれば安心」と考えるのは自然なことです。
しかし、インフレが進むと、お金そのものの“価値”が下がってしまうことを知っておく必要があります。

たとえば、100万円を預貯金に入れていても、インフレ率が年3%であれば、1年後には実質的に約97万円分のモノしか買えないことになります。

しかも、銀行の金利は現在0.1%未満が一般的。

インフレにまったく追いついていないのが現状です。

つまり、「ただ貯める」だけでは、実質的にお金が目減りしていく時代に入っているということです。

インフレに強い資産、それが「不動産」

では、どうすればインフレから資産を守れるのでしょうか？

その一つの答えが、実物資産への投資です。中でも、不動産はインフレに強いと言われてきました。その理由を、順を追ってご説明します。

賃料収入がインフレに連動しやすい

まず注目したいのは、「賃料（家賃）」の特性です。

物価が上昇するインフレ局面では、日用品やサービスの価格だけでなく、住宅やオフィスなどの賃料も値上がりする傾向があります。これは、不動産市場が需要と供給のバランスに影響を受けるためです。

例えば、スーパーでの買い物価格が全体的に上がると、それを販売する小売業の売上も（理論上は）増える可能性があります。その結果、商業施設にテナントとして入居している店舗は、多少賃料が上がっても支払える余力が生まれる場合があります。

また、個人向け住宅でも、インフレに伴って給与や最低賃金が引き上げられれば、賃貸物件の家賃にも反映される可能性があります。たとえば、年収が2%上がったとき、同じ比率で家賃が引き上げられても受け入れやすくなりますよね。

つまり、不動産オーナーにとっては「物価が上がっても、それに応じて賃料も上がることで、実質的な収益の目減りを防げる」可能性があるというわけです。

家賃収入を原資とする不動産投資では、このようにインフレ時にも安定したキャッシュフローを維持しやすいという特性が、資産防衛手段としての魅力となっています。

不動産価格そのものも上がりやすい

次に見ていただきたいのは、不動産の「資産価値」自体についてです。

インフレが進行すると、住宅の建設に必要な資材（木材、鉄鋼、コンクリートなど）や人件費も上昇します。すると、新築物件の開発コストが高くなり、それに伴って販売価格も引き上げられる傾向があります。

加えて、インフレによって現金の価値が相対的に下がると、人々は「お金を現金のまま持っているより、モノに変えておこう」と考えるようになります。こうした実物資産への需要の高まりが、不動産市場に資金を呼び込む要因にもなります。

さらに、日本では都市部を中心に土地の価格が中長期的に安定していることも、不動産価値の維持を後押ししています。土地は追加で生産できない限られた資源であるため、インフレ環境下では、特に供給が限られる地域の不動産価値が上昇しやすいのです。

希少性という価値を持つ不動産

最後にご紹介したいのが、「希少性」という視点です。

土地や建物といった不動産は、株式や投資信託とは異なり、無限に供給できるものではありません。特に利便性が高いエリアや、再開発が進む都市中心部などの物件は、供給が限られているため、常に高い需要を集めやすい傾向にあります。

たとえば、駅近の物件や再開発が予定されているエリアの土地は、「今後もっと価値が上がるかもしれない」と期待されることから、希少性が価値に直結することもあります。

インフレ下では、「同じお金で何が買えるか」が重要になりますが、こうした希少価値の高い不動産は、相対的に価格が下がりにくく、むしろ上昇する可能性もあるのです。

不動産クラウドファンディングとは？初心者にもやさしい資産運用法

「でも、不動産って高いんじゃないの？」「買って管理するのは大変そう…」
そんな方にこそ知っていただきたいのが、不動産クラウドファンディングです。

少額から投資可能

従来の不動産投資では、数百万円～数千万円単位の資金が必要でした。
しかし、クラウドファンディングでは、1口数万円程度から不動産投資に参加できます。

これは、インフレ対策として不動産を活用したいけど大きな資金を動かすのは難しいという方にとって、大きな魅力です。

分散投資がしやすい

少額から投資できるため、複数の物件やプロジェクトに分けて投資することで、空室リスクや地域偏りのリスクを分散できます。

専門家が運用を代行

物件の選定や管理、修繕、入居者対応などの煩雑な業務は、運営会社が代行します。
投資家は、選ばれたプロジェクトに出資するだけでOK。忙しい方でも安心して参加できます。

安定的な収益が期待できる

クラウドファンディングの多くは、家賃収入をベースにした分配金を得られる仕組みです。
物価上昇に伴い賃料も上がれば、その分配金も増える可能性があります。

リスクと向き合うことも大切

ここまで不動産クラウドファンディングのメリットについて見てきましたが、どんな投資にもリスクがつきものです。
この章では、特に押さえておきたい2つの主要リスクについて、わかりやすくご説明します。

元本割れリスク

不動産クラウドファンディングでは、元本（出資したお金）が保証されているわけではありません。
つまり、投資した金額がそのまま返ってこない可能性もあります。

主な原因としては、以下のようなケースが考えられます。

▼空室リスク
物件にテナントや入居者が入らなかった場合、家賃収入が得られません。
たとえば、新築マンションの投資案件でも、「想定より入居が決まらない」といった事態は起こり得ます。
こうなると、分配金が予定より下がったり、元本が削られるリスクも出てきます。

▼不動産価格の下落
不動産市場は常に変動します。地域の景気が悪化したり、大規模な開発計画が中止されたりすると、物件の価値が下がることもあります。
売却時に想定していた価格よりも低くなれば、その差額が投資家に跳ね返ってきます。

▼自然災害の影響
地震や台風、火災などで建物が被害を受けた場合、保険で全てをカバーできるとは限りません。
修繕費用や価値の減少によって、プロジェクト全体の収益が落ち込むリスクがあります。

▼運営会社の経営リスク
クラウドファンディングの仕組みでは、物件の管理・運用は専門業者に委ねることになります。
しかし、その運営会社が倒産してしまった場合、分配金が滞ったり、資金の回収が困難になる可能性もゼロではありません。

▼その他：金利変動や地域要因
将来的に金利が大きく上昇した場合、不動産投資全体の収益性が相対的に低下する可能性もあります。
また、近隣の環境変化（たとえば近くに騒音源ができたなど）によっても物件の価値が左右されることがあります。

流動性リスク

もう一つ、特に注意しておきたいのが「流動性リスク」です。

不動産クラウドファンディングは、多くの場合「〇ヶ月?〇年」など運用期間があらかじめ決まっています。その期間が終了するまで、基本的に途中解約はできません。
これはつまり、万が一の際「すぐに現金化できない可能性がある」ということです。

▼生活資金には向かない
たとえば「急にまとまったお金が必要になった」としても、投資している資金は原則として戻せません。「給与の余剰資金」や「しばらく使う予定のない資金」で運用するのが基本となります。

▼二次市場の未整備
一部のサービスでは投資口の売買（セカンダリーマーケット）を提供しているケースもありますが、まだ仕組みが発展途上です。
売りたい時に必ず買い手が見つかるとは限らず、現金化できない可能性もあることは理解しておきましょう。

リスクとどう向き合うべきか

リスクの話を聞き、不安になった方もいるかもしれません。
ですが、これはどんな投資にも共通することです。

重要なのは、リスクを正しく理解し、自分のリスク許容度に合った範囲で取り組むこと。
そして、ひとつの案件にすべてを預けるのではなく、複数案件に分けて投資する“分散”の考え方を持つことです。

また、投資先の情報をよく確認し、実績がある運営会社かどうかをチェックすることも大切なポイントです。

まとめ

これからの時代、「現金を持っているだけでは守れない」時代です。
だからこそ、お金の価値を守るための工夫＝「守りの投資」が必要です。

不動産クラウドファンディングは、そんな時代において「少額から」「プロに任せて」「インフレに備える」手段として注目されています。

もちろん、リスクを理解し、ご自身のライフスタイルや投資目的に合った選択が必要です。
でも、情報収集と準備さえできれば、未来の資産を守る力強い味方になってくれるでしょう。